実験の目的
フロートを浮かべることで液面からの蒸気が抑えられることはよく知られていますが、はっきりと効果を示す資料はありませんでした。
今回、温水からの熱気や蒸気がフロートを浮かべることでどのくらい抑えられるのかを実験し、温度と湿度を計測してみました。
実験内容
実験方法
温水にエスフロートを浮かべた場合と液面オープン(上面開放)の場合で比較。
室内の温度や湿度、液面(エスフロート表面)温度を計測。
条件
- 室内 (上面から吸気換気) 無風
- 水槽 FRP製 (縦 50cm × 横 100cm × 高さ 50cm)
- 液体:水道水 水量:198ℓ
- 液面表面積:1m × 0.52m 0.52㎡
- 水温:42℃ で固定
計測内容
- 表面温度 ー <計測機器:赤外線表面温度計> エスフロートの上面温度か液面表面温度
- 室温 ー <計測機器:誤差を考慮しメーカー違い品2個使用> 液面から50cmの高さ
- 湿度 ー 同上
計測結果
表面温度
- 水面温度は水温(42℃)とほぼ同じ40℃台。
- エスフロートの表面温度は30℃台で、水温の熱を遮断している。
- 樹脂は熱伝導率が低いことが原因と思われる。
室温・湿度
温度についての見解
- 計測開始5分後では室温差はさほどない。( 横軸が経過時間(分) )
- 温度差は時間経過ごとに広がり、30分後には2℃の差になった。
湿度についての見解
- 液面オープンでは、5分後ですでに湿度は80%以上。
- エスフロートは、開始5分後では湿度は70%台。
- 2種類の湿度差は計測開始から時間が経過しても10%以上の差は変わらない。
- 液面オープンでは15分後には90%を超えたが、エスフロートは30分後でも80%前半から変わりなかった。
実験の考察
- 液面オープンの状態と比較して、エスフロートを浮かべた場合は、室温で2℃。湿度で10%低くなっていることから、室温・湿度低下の効果はあることが分かった。
- 室温上昇が抑えられた要因は、エスフロートの液面の被覆率が高かったため、樹脂の熱伝導率の低さのためと考えられる。
- 湿度上昇が抑えられた要因は、エスフロートの液面の被覆率が高かったためと考えられる。